「本番全力出しきって疲れているだろうし、次に仕事がある娘。もいて大変なところ申し訳ないけど、どうしても今日言っておきたかったので集まってもらいました。」
~札幌夜公演が終わったドリムス。の楽屋です~
最初にこの言葉を言った後、私、涙をこらえる間を作ってしまった・・・だいたい15秒くらいだっただろうか・・・その間、メンバーは、
こんなに一生懸命やったのにまだダメ出しするの?エーッ!?いったい何のインフォメーション?みたいな不可解な顔でじっと待ってる。。。
結局こらえきれず泣き声になって「本日ようやく9人の“ドリームモーニング娘。”というユニットがやっと、やっと出来上がりました!完成ダ。」と。
それが最高の褒め言葉であることにまだメンバーはどうやら気付いておらず、キョトンとしている娘。もいたので、
「今までどれだけ一生懸命やってくれても褒めないできたからね、もっとできるはず!って褒めたくてもさらなる上を望んで我慢して来て、私自身が辛かったから、、、泣いてゴメン。こうして褒めれるコトが嬉しい。」
「毎回一生懸命やってる、いつもちゃんとやってる娘。は何で今日?って思うかもしれないけどね、9人の内一人でもダメだったらそれを感じなくちゃダメで、9人がお互いを感じて相乗効果も生まれた時、誰一人弱まることなく、一人一人が起ったんだ。
春ツアーでなつが言った、全員が一番になったライブだった。よくやったな。ありがとう。」
メンバーも少しづつ理解し始め、「うわぁー」「ヨカッタぁ」「うれしい」「やったぁー」等の言葉が聴こえて来て、メンバーも涙をこらえる様子が見えたので、照れ隠しに、拍手を皆に向けてしながら「じゃあねバイバ~イ」と手を振って背中を向け、「さっ、飲むぞーっ」なんて風に、楽屋を後にした。
“モーニング娘。”が現在の歌うダンスユニット・踊るヴォーカルユニットの走りである事は紛れもない事実だ。
5人以上からなるユニットで歌い踊るのにメインヴォーカルは決められていない。その歌と踊りはそれまでよく見られたユニゾンではなくそれぞれ歌い訳がありハモコーラスが存在する。
ダンスもあえてシンメトリーのみならずバラバラに振り付けながらフォーメーションを駆使し一体感を表現。ダンスはダンスという考えでなく言語と生活であるという哲学的想いを元に、コミカルだったり遊びを取り入れたり、独特の表現で具現化した。
さらに、卒業と追加メンバー加入という、今まではユニット脱退・引退というマイナスイメージの言葉を「卒業」という前向きな言葉に代えてシステム化した。
そのすべての走りとなった“モーニング娘。”を卒業した1期2期の5人とモーニング娘。時代の中盤を確実に支えた4期の2人、新時代の5期6期7期までいるんだからすごいユニットだと我ながら思う。
だからこそ私は当初から、あり得ないすごい集まり=夢のような=“夢の集合体”と口にも文字にもして来た。
でも、集まっただけではダメでね、“モーニング娘。”の魂みたいなものを、失っていてはダメなんだな。それこそを後世に伝えるべく再結成されたと私は考えて使命感と共に引き受けたので、楽しく懐かしさだけでないステージを要求したために、メンバーにとってはさぞハードだっただろうと思う。
春ツアーを成功で終えてホッとしたのも束の間、その存在感はとても大きかった藤本を秋ツアーからは欠くことになり、それはいろんな意味でユニット間に大きな穴を作ったことも事実で、秋ツアーのリハで10人から9人になったメンバーへの私の要求はさらに増して行くことになった。
秋ツアーが始まってから7ヶ所16本めのライブを終えてようやくそんな彼女たちに私は合格点を出した。本当によく頑張ってくれた。一人一人がまぶしい程の輝きを放っている。
確かに、地方へ行けば、メディア露出も減っている分、それは如実に集客数に影響しているけれど。ぜひ彼女達のステージを観て欲しい。ライブで触れて欲しい。
いまや彼女達の存在をも脅かす程ライバル的存在と言えるまでに成功を遂げているAKB48というプロジェクトを自ら立ち上げておいて、自分で言うのもなんだけど、
若いアイドル達が歌い踊っているだけとは違う何かがそこにはあるんだ。 あと5ヶ所公演しかないけど、ドリムス。ライブまだ観ていない人、なんとか観れないものか。。。