たくさん膨らむ感謝の気持ち、まずはこのことからお話しさせてね。
先日は、TBS『それSnow Manにやらせて下さい1時間SP』をご覧頂き、たくさんの嬉しい有り難いご感想をありがとうございました。
(^.^)…
出演していた私が言うのも変な話ではありますが、いやいやどうして、私たち審査員は撮影当日の出番直前まで出演者には隠されていたので、楽屋(教室)でずぅーっとトイレにもなかなか行けずに(笑)おりました。
ゆえに、出演者達の努力の過程もステージを迎えるまでの様々なドラマも知らされないまま審査に臨んだので、ある意味、冷静に観る、見る、視ることができました。
視聴者の皆さんから聞こえてくる声の中には、色々と質問のようなことも多くありましたので、
どこを見てるのか⁉︎ とか、ダンスって?とか、審査基準は? とか、それ以前にテレビって… などなど、
私の思うこと色々と語ってみようと思っております。
ただ、これからお話しすることは、私にとっても大切なダンスのことです。嘘偽りのない本心でありたいと思っています。
そしてどうしても、ダンス歴42年、ダンス指導歴40年の経験と立場からのお話しにならざるを得ません。多少、上から目線的な発言も含まれるかと思います。その点どうかお許し下さいマセm(_ _)m
ダンス審査番組、ダンスコンテスト、どこでもよく目にする“ダンス日本一”決定戦などなど、40年前のダンスブームとは違い、いよいよ日本でもダンス文化が定着し、それを取り上げる番組も目を見張る程増えてきました。
そんな中、20年以上前から(ここちょっと自己主張・笑)“ダンスは呼吸” と提言し、「一億総ダンサー化計画」を掲げて生きてきた 夏まゆみ にとって、これまでテレビが作るダンスバトル番組としては本当に上位に入る素晴らしい番組だったと思います。
バトルをしながらでも、ダンスの持つ力やダンスの素晴らしさをしっかりと伝えられる作りになっていて、視聴者の多くの方々が感動して観てくれたのではないかなと、本当に出演者の一人として存在できたこともとても嬉しく思います。ありがとうございます。
そこには、少しの忖度も存在せず、それこそ、出来レースのかけらもない番組でした。
ここからいよいよダンスの話と審査の話。
本気って 本当に美しいです
ガムシャラって すごく心に響きます
必死って 見る人に感動を呼び起こします
この全てを、山村国際チームも芸能人チームもSnow Manチームも、これら3チーム全て持っていました。持っているだけでなくパワーとしてエネルギーとしてその全てを表現してくれました。しかも、チームとしてだけでなく、チームの一人一人、それぞれ9人誰一人欠けることなく本気で、ガムシャラで、必死でした。それを目の当たりにした私達はそりゃぁ、感動するし、涙もあふれる。本当に素晴らしかったもの!
でも、そのパワーや熱量だけで、審査するわけにいきません。だってそしたら3チームとも100点満点ですっ!!
審査基準という規定があります。番組でも流れましたが、ビジュアル(これには表現、表情、衣装までも含まれます)・構成(いわゆるバランスやフォーメーションです)・エンターテイメント(演出やショーマンシップ)・テクニック(まさに、スキル、技術ですね)・スペシャリティ(唯一、審査員個人目線の感情を入れられるポイントです)この5つの規定が存在します。それぞれ20点満点で、5項目で100点満点としていました。
4人の審査員、点数的には多少のバラつきはあるものの、ほぼ90点前後以上で、4人全員がSnow Manチームの得点が一位になっていましたょね。審査員同士相談もしていない、そこには少しの忖度も贔屓もありません。
当然σ(^_^;) 他の審査員は? SAMは何点付けたかな⁉︎(笑)とか気になりつつです。
前述した通り、人の心を揺さぶる熱量はすべてのチームが表現できていたわけですから、観て下さっていた視聴者の皆さんの声もさまざまでした。
では何故、Snow Manチームが他のチームより高得点だったのか・・・
ここからは、私の個人的な意見になりますが、よろしければ、、、
私のSnow Manへの評価点は5つ(もあります!)
一つ、洗練された身体作り
一つ、空気の使い方と揃い方
上記2つは確実に“スキル”に入ります。
一つ、悲痛さのかけらもないこの上なく楽しそうなパフォーマンス
一つ、振り付けを確実に自分達のものにしている(これは優秀な振付師があってこそなんだけどね)
一つ、 “抜き” ‼︎
ひとつひとつ、説明していきますね。
やはり、ダンスというもの、身体作りと基礎が大切ということに尽きてしまうのかな…
学生時代のテストと一緒じゃないかなぁ… 付け焼き刃は最後の最後には効かないってことになります。
ダンスは全身を使いますょね。
日頃からトレーニングを積んでいる肉体=関節の可動域(いわゆる柔軟性等)と筋力(ダンスに必要なしなやかな筋肉ということです)を持ち備えている肉体がリズムに乗って動く様は当然違ってきます。それは残念ながら明らかです。
ダンス経験者ならわかると思うのだけど、「腕は肩からじゃなくて肩甲骨から出てる」とか「脚は付け根からじゃなくてウエストから生えてる」とか「腕じゃなくて脇を使ってー」とかなんですぅ。
たとえば、佐久間くんの動きに注目してください。身体全身を使って踊っています。基礎がしっかりできていると見受けられます。ストリート系の動きで言うと、筋肉の瞬時の収縮と解放(時としてPOPIN’と言う)をうまく使えているのが、岩本くん。この二人に見られるようにSnow Manのメンバーは、ダンスをするための身体づくりができている様に思います。
私、これまで、ジャニーズというと、KinKi Kids(ほぼデビュー前)とV6(がジュニアの頃から)と他ジャニーズJr.のメンバー など約2年間くらいかな⁉︎ 担当していた時期がありました。ダンスにおいて、みんなとても表現力があり個性的でエネルギーも、放つオーラもさすがでした。
同じジャニーズであるSnow Manの今回のダンスを見て驚いたのは、多少の手振り(手の細かい動き)が揃っていなくても空気が揃っているということ。
ダンスシーンにおいてユニゾンはエネルギーを強く前に押し出すときに使うけど、彼らはいわゆるAメロやBメロでそれをやってのけました。
そして、何より、
本当に誰より本人たちが楽しんで踊っているそのさま、姿は、見ている人をシアワセにするものでした。頑張った努力の成果を見せるのではなく、努力を経てこそ自分でその喜びを感じている様子が素敵でした。
あと、もう一つ!それは、、、“抜き” ‼︎
簡単に言うと、“力が抜けている” とでも言いますか… 踊っている方は決してラクしておらずもちろん必死に踊っているのだけど、見ている方はとてもラクそうに踊って見えると言うことになります。よく言葉で説明されるのが、動きにおける「緩急」だったり「メリハリ」、時に「程よく力が抜けている」などと言われますが、これ実はすごくすごく難しいことです。
スキル、テクニック、いわゆる技術というものは、どうしてもおおわざを言ったりしますょね? アクロバティックな動きや、Breakin’ でいうパワームーブのように、体操でいうウルトラCだったり、フィギュアスケートでいうトリプルアクセルだったり、当然バレエやジャズダンスだったら、ピルエットを何回まわれるかとかグランジュッテの高さとかバランスのキープ力とかだったりするンだけど、私はこの“抜き”も相当なスキルを要するものだと思っています。
まさに、これらは、私が審査員を務めるときの観点であり、これまで関わってきたアイドルやアーティストに伝えていることです。
ひゃぁ〜٩( ᐛ )و 長い長い文章になってしまいました。
最後まで読んでくれた人、ありがとう。
コメント欄へはいつも通りコメント下さっても良いですし、今回は、本気でダンスに対するご質問であれば、しっかりとお返事してお答えしていきたいと思っています。
出演者、共演者の皆様、素晴らしいダンスを、そのステージを大切に思うからこその緊張感を持ってステージに向かう姿勢を、ありがとうございます。
番組制作に携わった全てのスタッフの皆様、大変お疲れ様でした。
素晴らしいダンス番組をありがとうございました。
夏 まゆみ
たくさん膨らむ感謝の気持ち、
次はミキティのこと、ハロプロのこと、おしゃべりしていきたいと思います。